Beyond Nationalism, Examining Beauty Between and Across Cultures — Japan-Korea Relations Through Art”

graphic recording by Chan Wai As a part of “Conversation of Tangible Memories” series, “A Bird’s Eye View of Japan-Korea Relations Through Art” closed on a high note on January 29, 2021. Following on from the “When Urban Communication Meets Transnational Asia” and “Passing on History and Challenges in the 21st Century“, this third eventContinue reading “Beyond Nationalism, Examining Beauty Between and Across Cultures — Japan-Korea Relations Through Art””

ヒトの相互作用の中で移りゆく文化・芸術を、繋がりから見つめる。第3回ワークショップ「アートから見る次世代の日韓関係〜ナショナリズムの枠を超えて〜」

graphic recording by Chan Wai THE LEADS ASIAが2020/21冬期に開催しているワークショップシリーズ「Conversation of Tangible Memories (“有形”記憶の対話)」。 第一回のワークショップ「When Urban Communication Meets Transnational Asia」、第二回「21世紀における歴史の継承と挑戦」に引き続き、第三回目となる「アートから見る次世代の日韓関係〜ナショナリズムの枠を超えて〜」が、1月29日にZoomを介して開催されました。 ゲストスピーカーとして招かれたのは、スイス・チューリッヒ大学に位置する美術史研究所にて東アジア美術史を担当する、ハンス・ビャーネ・トムセン教授。 日本と韓国を中心にした約50名の参加者が世界中から集まり、美術史や現存のアート作品を通じて日韓関係をみたときに生まれる問題や、ナショナリズムの狭隘な枠を超えた、新しい二ヶ国関係を考えるきっかけになるお話を聞きました。 ハンス・ビャーネ・トムセン教授「アートから見る次世代の日韓関係〜ナショナリズムの枠を超えて〜」 トムセン教授のお話はまず、スイスにおける日本と韓国の美術作品、いわゆる”東洋美術”についてからスタートしました。 スイスは内陸に位置する国でありながら、中世においてはヨーロッパにおける「文化の中継地」として特別な意味や役割を持っていました。 そして限られた資源や文化的接触を補うためにスイスの人々は貿易にも積極的で、みずから外地へと赴くことも早期から文化として根づいていました。 トムセン教授が2007年に初めてスイスに来たとき、東アジア(日本、韓国、中国)の美術を展示する美術館はチューリッヒとジュネーブに2件ほどしか存在していませんでした。 しかし、国内の50以上の美術館における研究を通じて、実はこうした「東アジア美術」に分類されうる作品が数多く存在していることが明らかになったのです。 トムセン教授は作品の分類のされ方について「日本、中国、韓国のどれに属するかについてはまったく議論されず、何が何なのか分からないほどごちゃ混ぜに保存・分類されていた」と語ります。 背景には、これらの作品が東アジアへ渡ったスイス人たちによってもたらされ、地方の美術館へ寄付されたときに専門家がおらず、「Exotic East (未開の極東)」から来たという情報しか共有されなかったという事情がありました。 トムセン教授はこの「東アジアへ渡ったスイス人」について着目します。 日本・韓国に渡ったスイス人たち 横浜におけるシルク貿易 スイス人使者たちは、シルクの輸入や時計の輸出などさまざまな物の貿易のために日本を訪れていました。彼らはたいてい長期に渡って滞在し、実際に言葉や文化を学んだあと芸術作品を各地から集め、故郷スイスへと持ち帰りました。 当時のヨーロッパは度重なる伝染病や不幸によって養蚕がうまく行かず、代わりとなる養蚕方法や質の高いシルクの仕入れ先を探していました。そこでスイス人使者たちは上垣守国著「養蚕秘録」(1802年)を持ち帰り、1848年に出版されたフランス語版はヨーロッパ中に広まりました。そして日本製のシルクは高い評価を得て、”モノ”を介した強い繋がりが生まれました。 このように比較的小さな国土と限られた資源の中で貿易によって事業を成功させていったスイス人たち。しかし現地での活動には言葉や文化の違いをはじめ、さまざまな困難が伴うはずです。彼らは日本で実際にどのような暮らしを送っていたのでしょうか? 教授は1864年から約36年間にわたり日本に滞在したチャールズ・チーグラー(Charles Ziegler)の事例を用いて説明します。 チーグラーはまず、二人のスイス人を同僚として来日させました。しかし彼の会社の管理職はそれ以外はみな東アジア人で構成されていました。横浜以前に長い養蚕の歴史を持つ中国・広州から数名を配置したほか、英語を話し貿易についても豊富な知識を持つ中国人たちは、日本人と筆談で意思疎通ができるためにとても重宝された存在でした。 さまざまな国籍の人員からなる彼のチームは、ときに同席で夕食を囲んだり、またみなで各地へ旅行に行ったりと、フランクな関係性を保っていました。 このように、横浜における国際性の高さ、また多文化が共存する環境は当たり前のものとして存在していたのだと言います。 韓国に渡ったスイス人 トムソン教授が韓国におけるスイス人の軌跡として例にあげたのは、当時日本や韓国、中国で外交官としてキャリアを築いていたポール・リッター(Paul Ritter)。 この時期を境に、韓国美術や芸術作品のスイスへの流入が始まりました。2007年から行われた調査では、スイス国内の美術館に偏在する韓国美術の作品が新たに多く発見されました。 “在外秘宝”:アートがナショナリズムと結びつくとき スイスに偏在していた東アジアを起源とする美術品の数々は、島田修二郎編「在外秘宝:欧米収蔵日本絵画集成」(1969)にちなんで「在外秘宝プロジェクト」と名づけられた調査によって各地で”再発見”されました。 国外における”国の秘宝”の全貌を明らかにする取り組みは、日本以外にも韓国や中国で近年盛んになっている動きだと教授は語ります。その「国立美術」調査の特徴・目的としては、以下のようなものが挙げられます。 名品探し 失われた日本美術品の発見 在外美術品を日本国内での美術史とつなぐ 外国における文脈を無視した観点による研究 外国にある美術品を「故郷」である日本とつなぐ ですが、このような美術史における現代の枠組みでの「国立美術」確立に向けた取り組みには、危険性も伴うとトムセン教授は指摘します。 「5000年の歴史」の誇りに潜むワナ 東アジア地域の国々では英語だけでなくそれぞれの言語においても、「韓国・4000年の音楽史」「日本・焼き物4000年の歴史」「中国・4000年の書道史」などの表現が多く見受けられます。Continue reading “ヒトの相互作用の中で移りゆく文化・芸術を、繋がりから見つめる。第3回ワークショップ「アートから見る次世代の日韓関係〜ナショナリズムの枠を超えて〜」”

A Bird’s Eye View of Japan-Korea Relations through Art (January 29, 2021)

*한글 / English below 「アートをめぐる日韓関係の俯瞰図 ~ナショナリズムの枠を超えた東アジア芸術を通して見えてくる世界~」 THE LEADS ASIAは、「Conversation of Tangible Memories(”モノ”を通じた記憶の対話)」と題したワークショップシリーズを昨年11月から全4回にわたり開催しています。 第3回目となる1月29日のワークショップでは、令和元年に日本政府より旭日小綬章を受賞されましたスイス・チューリッヒ大学(東アジア芸術史学科長)のハンス・ビャーネ・トムセン教授をお招きして開催します。 古典から現代アートに至るまで、東アジアにおける陶芸や絵画などの芸術はときに、「日本芸術」「韓国芸術」「中国芸術」などの名前で明確に区別され、時に国粋主義(ナショナリズム)的に結びつけて語られることも少なくありません。ですがその歴史を紐解くと、美しさの中に見えてくる世界や先人の想いがありました。 今回はこうした「国立美術」(ナショナル・アート)と呼ばれる概念の持つ危うさ、また現在のヨーロッパ地域における美術史を通じた歴史教育の取り組み、そして国境を超えた „文化の間の美“ についてお話をお聞きします。 ​トムセン教授は「異文化の芸術をよりよく理解するためには、根強いナショナリズムと向き合う必要があります。アートの観点からいまいちど”国境”の役割を考えなおせば、今までの、そしてこれからの韓日関係をよりよく理解することができるでしょう」と語ります。 芸術の観点から、韓日関係の未来を一緒に考えてみませんか? 皆様のご参加をお待ちしています。 【開催日時】2021年1月29日(金) 20:00~22:00 【会場】オンライン(zoomにて行います) 【ゲスト講師】スイス・チューリッヒ大学(東アジア芸術史学科長)ハンス・ビャーネ・トムセン教授 チューリッヒ大学・東アジア芸術史学科長。京都市左京区生まれ。9歳まで日本で暮らし、デンマークと日本を行き来しながら育つ。米国・プリンストン大学で博士号(伊藤若冲研究)取得後、シカゴ大学での教職などを経て、2007年より現職。2009年以降、スイスにある美術館所蔵の日本美術工芸品を積極的に紹介するプロジェクトを続けているほか、2017年にはチューリッヒで三笠宮彬子さまを講師に迎え、日本美術に関する講演会を開く。また、スイス国立博物館で2019年に開催中された「日本のハイジ」展を中心となって企画、実現させた。これらの功績が評価され、日本政府より2019年度旭日小綬章を贈られる。 【プログラム】1、ゲスト講演(英語)ハンス・ビャーネ・トムセン教授「アートから見る次世代の日韓関係(A Bird’s Eye View of Japan-Korea Relations Through Art)」 2、質疑応答(英語&日本語&韓国語) 司会進行THE LEADS ASIA共同設立者 佐々木彩乃THE LEADS ASIAメンバー 朴珠美 【言語】英語※今回の使用言語は英語のみとなっておりますが、質疑応答の際には日本語でご質問いただくことも可能です。 【参加費】無料 【参加方法】こちらのURLよりご登録ください。 【前日までにご準備いただきたいこと】①Zoomというウェブ会議ツールを使います。初回のみインストールが必要です。初めての方は事前にお願いします。すでにお使いの方も必ず最新版にアップデートしてご参加ください。②Wifiでインターネットに接続可能なパソコン(カメラとマイクと内臓のもの、または別付)をご準備ください。 【後援】早稲田大学韓国学研究所(WIKS) 【主催・お問い合せ】THE LEADS ASIA (TLA)Email : the.leads.asia@gmail.com  예술을 둘러싼 한일관계의 조감도Continue reading “A Bird’s Eye View of Japan-Korea Relations through Art (January 29, 2021)”

歴史を学ぶ意味とは、理想の未来を現実に変える力を得ること。「21世紀における歴史の継承と挑戦」

THE LEADS ASIAが2020/21冬に開催しているワークショップシリーズ「Conversation of Tangible Memories (“有形”記憶の対話)」、第二回となる「21世紀における歴史の継承と挑戦」はNPO法人ホロコースト教育資料センターおよびゲーテ・インスティチュート東京とのコラボレーションにより、ドイツ・ミュンヘンに位置するナチ・ドキュメントセンターのミリヤム・ザドフ館長をゲスト講師に招き開催されました。

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